医療情報

腹部超音波検査について

皆さんは健康診断や病院を受診したときに腹部超音波検査を受けられたことがあると思います。
現在の医師にとっては日常診療に欠かせないこの重要な診断装置について簡単に説明したいと思います。

超音波って何?

人の耳に聞こえる音の周波数はおおよそ20Hz(ヘルツ)〜20000Hz(20kHz)と言われています。これよりもはるかに高い周波数で人の耳に聞こえない音のことを超音波と言います。
腹部超音波検査では3〜10MHz(メガはキロの千倍)の超音波を用いており、その特性(直進性、反射、吸収など)を利用して人の生体内の構造を断層画像として見ているのです。

超音波検査は人体に影響はないのでしょうか?

胸やお腹のレントゲン検査あるいはCTなどはX線を利用するため人体に影響がないわけではありません。
僅かではありますが放射線被爆を受けるため検査は必要最小限にとどめるべきでしょう。

しかし腹部超音波診断装置で用いる超音波周波数は人体に無害であるため繰り返し検査をしても安全です。婦人科でも胎児の発育経過も見るのに超音波を利用しているのは皆さんもご存知のことと思います。

超音波検査で何が分かるのですか?

通常、肝・胆・膵・腎・脾を主に観察していますが胃や腸も全く判らないわけではありません。
しかし胃腸の病変で診断できるのは腸閉塞や虫垂炎など良性疾患と非常に進行したガンなど一部の病変であり、胃腸のガンの早期発見には決して超音波検査は適していません。

内視鏡検査やバリウムを用いたX線透視診断でなければ早期の胃腸ガンの診断は不可能なのです。逆に早期に発見された肝臓ガン、胆嚢ガン、膵臓ガンなどはほとんどが超音波検査をきっかけに診断されており、この診断装置がもっとも有用性をはっきりする領域です。

超音波検査は苦痛を伴わず安全に気軽にできる検査ですが、万能な診断装置ではないことを理解して他の検査とあわせて総合的に診断を受けることをお勧めします。